MAJESTYオーバーヒート!
「マジェスティ」にお乗りのお客様から連絡が有り、点火プラグとエアフィルターの交換依頼と、もう一つ水温計の針が異常に高い位置を示しているようで、それに伴いエンジン不調も併発しているようなので診て欲しいとの事でした。このお客様も当店にお越し頂くようになって10年が経ちますが、オイル交換などで年に2~3回程度来店されるだけで、改めて総合的な定期点検などは受けた事がありませんでした。
過去に一度だけ冷却液を交換した事がありますが、それも9年も前の事で点火プラグとエアフィルターに関しては、今まで一度も交換した事が有りませんでした。
走行距離も4万キロを越える2003年式の「マジェスティ」なので、点火プラグやエアフィルターもボロボロなんでしょうし、恐らくラジエターには冷却液なんか入って無いんじゃないかと思いながらバイクを預かりました。
予想は的中し、点火プラグは減って短くなり角が崩れて原型を留めておりませんでした。
エアフィルターに至っては材質のスポンジが劣化しバラバラになっていました。→
そして、やはりラジエターのリザーブタンクも空っぽで、ラジエター本体の方にも僅か数十CCの茶色いものが出てきただけで、ほぼ空っぽに近い状態となっておりました。
こんな状態でしたのでオーバーヒートもあたりまえでしょうし、エンジンも調子悪くっなて不思議はないので、点火プラグとエアフィルターを新品に交換し、ラジエター含む冷却系統を洗浄したあと新しい冷却液(LLC)に交換して作業を終えました。
一応ラジエターとラジエター・キャップも加圧テストして、値は正常値なので問題無いとは思われますが、これだけ冷却通路がサビサビで今後はオーバーヒートの後遺症も有り得るので、暫く様子を見て頂ければと思います。
毎度有難う御座いました。
冷却液について
冷却液には不凍液(エチレングリコール)と防錆剤(リン酸塩系物質)の入った、LLC(ロングライフクーラント)と云うものを使用しています。
エンジンは真水で冷やしている訳では有りませんヨ!
真水は摂氏0度以下になると凍結し始め氷となり、真水が固体化すると体積が膨張してしまうため、ラジエーターやエンジンなどの破裂に繋がります。
このため不凍液を使用して凍結を防止しています。
また、この冷却液の循環する冷却通路には鉄やアルミの金属製品が使われていますので、防錆剤も使用して腐食を防止しています。
更には冷却効率を高める消泡剤(泡立ち防止剤)などが使用されいます。
このLLCも3~5年で劣化して、その効能は失われます。
また、ラジエター含む冷却通路には、錆や溜まった不純物が堆積して行き、ラジエターそのものの冷却効果を奪って行きますので、大事な愛車のエンジンを守る為にも定期的な冷却液の交換が必要になります。
新車で買って今まで一度も交換した事が無い!
中古で買ったバイクだから過去の整備暦が判らない!
など、思い当たる方は早めに交換お願いします。
| 固定リンク
「修理(エンジン・マフラー)」カテゴリの記事
- ZX-10R 車検!(2021.04.13)
- Ninja車検(2021.04.06)
- TACTラジエター油濁!(2021.03.21)
- タクト LLC交換!(2021.03.17)
- Dトラッカー 水温センサ交換!(2021.03.12)
「修理(電装系)」カテゴリの記事
- ZRX1100 車検!(2021.04.20)
- ZX-10R 車検!(2021.04.13)
- ジャイロCanopy フロントホイール&灯火類修理!(2021.04.03)
- R1200GS カスタム!(2021.03.31)
- PCX 9万キロ整備!(2021.03.24)
「修理(燃料系)」カテゴリの記事
- PCX 9万キロ整備!(2021.03.24)
- ナイトフォーク 燃料漏!(2021.03.11)
- ディオ110 1万キロ整備!(2021.03.14)
- SPACY長期放置 始動不能!(2021.03.02)
- Z125PRO整備!(2021.02.26)
コメント